作家彼女。20 
4月2日 作家彼女。1
4月3日 作家彼女。2
4月5日 作家彼女。3
4月8日 作家彼女。4
4月11日 作家彼女。5
4月13日 作家彼女。6
4月14日 作家彼女。7
4月17日 作家彼女。8
4月21日 作家彼女。9
4月24日 作家彼女。10
4月27日 作家彼女。11
4月30日 作家彼女。12
5月2日 作家彼女。13
5月3日 作家彼女。14
三年前 作家彼女。15
5月4日① 作家彼女。16
5月4日② 作家彼女。17
5月4日③ 作家彼女。18
5月4日④ 作家彼女。19
5月4日⑤
先輩「さぁ、八坂――これで、『八坂が恋に落ちるまで』計画はおしまいね?」
ぼく「ええ、まぁ、そうですね」
本当に、先輩の計画通りに――ぼくは恋に「落とされて」しまった。
悔しいので、ここらでひとつ、格好良い告白の言葉を言いたいところだけど……。
……うん、困った。
これまで先輩が趣向を凝らしてぼくを恋に「落として」くれたのに応えられるような、
そんな素敵な告白の言葉は、すぐには思い付かなかった。
それでもなんとかぼくの方からも、先輩に応える告白をしようと、
ああでもないこうでもないと考えをめぐらせていると――
先輩「じゃあ――ありがとね、八坂。
あなたのお陰で、すごく楽しかった」
そう言って、先輩は荷物を手に席を立った。
……え?
ぼく「あれ? 先輩、デザートがまだですけど、もう行くんですか?」
先輩「いえ、ごめんなさい。
ほら、この格好、流石に少し恥ずかしいから、先に着替えて来るわ」
ぼく「ああ、なるほど」
そう言えば、先輩が着ているのは中学の時の制服なのだ。
流石にそんなコスプレめいた格好のまま、帰りの新幹線に乗せる訳にはいくまい。
先輩「八坂はここで待っていて、そうね――」
と、春華先輩は、荷物の中から原稿用紙の束を取り出し、ぼくに手渡す。
先輩「はい、これ『九条春華の「八坂が恋に落ちるまで」』の、最後の原稿ね。
時間稼ぎ――じゃなかった、時間つぶしに、読んでおいて」
ぼく「はぁ」
先輩「それじゃ――ばいばい、八坂」
と、そう言って先輩は席を立った。
……?
何だろう、――先輩、少し、声が震えていたような……?
4月3日 作家彼女。2
4月5日 作家彼女。3
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先輩「さぁ、八坂――これで、『八坂が恋に落ちるまで』計画はおしまいね?」
ぼく「ええ、まぁ、そうですね」
本当に、先輩の計画通りに――ぼくは恋に「落とされて」しまった。
悔しいので、ここらでひとつ、格好良い告白の言葉を言いたいところだけど……。
……うん、困った。
これまで先輩が趣向を凝らしてぼくを恋に「落として」くれたのに応えられるような、
そんな素敵な告白の言葉は、すぐには思い付かなかった。
それでもなんとかぼくの方からも、先輩に応える告白をしようと、
ああでもないこうでもないと考えをめぐらせていると――
先輩「じゃあ――ありがとね、八坂。
あなたのお陰で、すごく楽しかった」
そう言って、先輩は荷物を手に席を立った。
……え?
ぼく「あれ? 先輩、デザートがまだですけど、もう行くんですか?」
先輩「いえ、ごめんなさい。
ほら、この格好、流石に少し恥ずかしいから、先に着替えて来るわ」
ぼく「ああ、なるほど」
そう言えば、先輩が着ているのは中学の時の制服なのだ。
流石にそんなコスプレめいた格好のまま、帰りの新幹線に乗せる訳にはいくまい。
先輩「八坂はここで待っていて、そうね――」
と、春華先輩は、荷物の中から原稿用紙の束を取り出し、ぼくに手渡す。
先輩「はい、これ『九条春華の「八坂が恋に落ちるまで」』の、最後の原稿ね。
時間稼ぎ――じゃなかった、時間つぶしに、読んでおいて」
ぼく「はぁ」
先輩「それじゃ――ばいばい、八坂」
と、そう言って先輩は席を立った。
……?
何だろう、――先輩、少し、声が震えていたような……?
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5月4日③ 作家彼女。18
5月4日④
注文したコースの最後、デザートを待っていると、
春華先輩が懐かしそうに機械時計を眺めながら口を開いた。
先輩「八坂と初めて会った、あの日……私は修学旅行で京都に来ていて、
最後の自由時間にこのカフェに来たのよ」
ぼく「修学旅行……ですか。
道理で京都を探しても見つからないはずです」
先輩「え? 探す、って?」
ぼく「あ、実は……あの後、あのとき先輩が着ていた制服を頼りに、
それこそ京都じゅうの学校を探したんですよ」
先輩「八坂……あなた、それ、ストーk、いえ、何でもないわ……」
と、先輩はかわいそうなものを見る目をぼくに向けた。
ぼくはそれに、気付かないフリ。
ぼく「結局見つからなくて、でもどうしてももう一度会いたくて――
それでぼくは、ブログを始めたんです。
こうしてブログを書いていれば、いつか『あの人』に気付いてもらえるかな、って」
春華「なんて乙女チックな……。
草食系な発想すぎるでしょう、それ……」
……ほっといて下さい。
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注文したコースの最後、デザートを待っていると、
春華先輩が懐かしそうに機械時計を眺めながら口を開いた。
先輩「八坂と初めて会った、あの日……私は修学旅行で京都に来ていて、
最後の自由時間にこのカフェに来たのよ」
ぼく「修学旅行……ですか。
道理で京都を探しても見つからないはずです」
先輩「え? 探す、って?」
ぼく「あ、実は……あの後、あのとき先輩が着ていた制服を頼りに、
それこそ京都じゅうの学校を探したんですよ」
先輩「八坂……あなた、それ、ストーk、いえ、何でもないわ……」
と、先輩はかわいそうなものを見る目をぼくに向けた。
ぼくはそれに、気付かないフリ。
ぼく「結局見つからなくて、でもどうしてももう一度会いたくて――
それでぼくは、ブログを始めたんです。
こうしてブログを書いていれば、いつか『あの人』に気付いてもらえるかな、って」
春華「なんて乙女チックな……。
草食系な発想すぎるでしょう、それ……」
……ほっといて下さい。
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