就職先の研修から帰ると、ビックリする程テンションの上がったY子さんが待っていた。
満面の笑みを浮かべる彼女の手には、一冊のコミック誌が。
コミックB'sログ――
今月から、神葉理世先生が描く漫画版『腐女子彼女。』の連載が始まるコミック誌だ。
⇒詳細はコチラ(コミック版『腐女子彼女。』特設ページへ)Y子「やっと帰ってきたか!遅いぞセバス!
さぁ届いてるわよ漫画版『腐女子彼女。』が載ってる本が!!ほらコレ!!」
ずいッ、とコチラに差し出されるコミック誌。
……おお、すげぇ。『腐女子彼女。』が表紙じゃないか。
僕 「………ええと、とりあえず、ただいま」
Y子「お帰り!さぁ、漫画にする!?漫画にする!?漫画にする!?それとも漫画!?」
僕 「テンション高いですねY子さん……」
Y子「何言ってるのよ!だって漫画になってんのよ!?
これが落ち着いていられようか!いやいられまいッ!!」
僕 「……反語法?」
Y子「いやはやホント、どうしますかセバスさん!すごいですよ!
あたしとうとう念願叶って二次元の世界に入っちゃいましたよ!
しかもめちゃめちゃ美人ですよ!?何コレ夢?夢なら……!」
そう言ってコミックを振りかぶるY子。
何だ!?た、叩く気か!?まさかその角で!?
僕 「か、角は痛い!!そのブ厚さの雑誌の角は痛いから止めて!!」
Y子「……なんてね、冗談よ。この大事なコミック誌であんたを叩く訳ないじゃん。
そんなことして折れちゃったりしたらどうすんのよ」
僕 「折れるって……僕の骨が?」
Y子「違う。本のページが」
僕 「うわ、何だかすごく心が痛い!
大変だ!僕の心が折れそうだッ!!」
Y子「良かった。痛いってことは取り合えず夢オチじゃないってことね」
…………。
あれだ、うん。頑張れ俺。
僕 「……まぁ、それはさて置き、どうでした?
コミック版『腐女子彼女。』の感想は?」
Y子「ウチに代々伝わる家宝に、今日から新たにもう一品加わったわ」
…………。
家宝と来たか。
いやまぁ、ぶっちゃけ僕もその位嬉しかったりするんだけど。
僕 「たしかに自分が漫画の主役だなんてすごい事ですしね。
……でも代々伝わる家宝があるなんてすごいですね。僕の家はそんなのないですよ」
Y子「色々あるわよー。他はね、あんたにもらったネックレスとか靴とか、
あと初めて二人で行った映画の半券とか、あたしへの伝言を書いたメモとか」
僕 「…………」
Y子「どうしたの?顔が赤いわよ?」
僕 「……不意打ちでデレるのやめてもらえますかね?」
Y子「それは無理な相談ね。あんたを照れさせるのが非常に楽しい事に気付いたから。
ふっふっふ、計算通り顔が真っ赤よセバス!」
ああ、たしかに真っ赤さ!
でもY子さんだって真っ赤じゃないか!
さてはそのセリフだと自分が照れるっていう事を忘れていたな!
……ちくしょう、この人超可愛い!